熊猫日誌

熊猫の記憶の物置

PCR検査を受けた。

※長い。後で加筆修正削除するかも。

日ごろ、都内で感染者が800人を越えたとニュースになっていたけれど、身近に居なかったため、正直遠い世界の話のようにも思えていた。

自分さえ気をつければ大丈夫。そう思っていたかもしれない。

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12月21日夜。職場のグループLINEに着信があった。
「Dさん、コロナ陽性との連絡がありました」

Dさんは私と同じ部に所属する社員で、席は斜向い。現在職場の席はパーテーションが設置されているし、挨拶くらいでふだんは雑談もしない。
ただ、先週金曜日に打ち合わせをしていた。
21日、Dさんは高熱を出して休んでいた。ふだんから体調を崩しがちな人ではあったから、またそれじゃないかなーなんて思っていた。それが新型コロナ感染症だったとは。

しかし部長からの「了解しました」の返信の後、グループLINEは沈黙。「ああ、濃厚接触者に該当していないんだな、きっと」と判断した。
ところが翌22日朝、出勤した私に上司が言った。
「ミキさん、これからみんなでPCR検査を受けに行くから」

ピャーーーーーーーーーーー。

朝の業務もそこそこに、私は上司や他の同僚たちと共に近所のクリニックに出向いた。そこでPCR検査を受けて、結果が出るまで自宅待機。というのが上からの指示。

PCR検査代は35,000円。これは現金で用意しなければならず、近くのATMへと走った。
生まれて初めてのPCR検査は、唾液を採取するものだった。その唾液を出すのに、すごく時間がかかった。頭の中を梅干や柑橘系で一杯にして、なんとか。
なんやかんやと解放されたのは、11時半。私はそこから帰宅した。

検査結果は23日夜にクリニックに届き、24日朝にはクリニックから各個人へと連絡が来ることになった。
「ギリギリだけど、24日の滝本さんのライブには間に合うな」と、胸を撫で下ろした。

元々24日はお休みをいただいていた。22、23日に集中して月末仕事をこなし、うまく運べば28日も休めるから、25日で仕事納めしてそのまま原マスミさんのライブへも行ける♪などと算段していた。
が、自宅待機の時間を考えると、25日は残業は免れないし、28日も休めない。この時点で原さんのライブは諦めなければならないと理解して、泣く泣く音友さんに代わりに行ってくださる方を探していただいた。

降って湧いたような休みだった。
しかし気疲れがひどく、22~23日はほとんど喰っちゃ寝だった。TwoDotsを進めることが出来たのは、良かったんだか悪かったんだか。

そして24日。私は欠勤だけど、午前中のうちに連絡が来る予定。
朝からソワソワしていた........................が、連絡が来ない。
一緒に受けた人たちからは、次々と陰性報告がグループLINEに届き、ついには私より後に受けた人からも陰性報告があった。
こうなると不安が募る。
「陽性だったから、後回しなのでは......」と、誰もが思うだろう。
クリニックの午前の診察は12時までだから、11時45分頃に思い切って電話をしてみた。
出たのは受付の女性で、何故か院長に代わられた。
「実はですね、あなたのだけまだ結果が出ていないんですよー。それでご連絡できなくて」

............は?

「検体をうまく増幅できないとかで、再々検査になっているそうなんです」

え? 再々......?

このクリニックではPCR検査を検査機関に出していて、そこからの報告によると私の唾液をうまく増幅できなかったらしい。2回失敗?で、3回目チャレンジ中だとか。だから再々検査。
(※PCR・ポリメラーゼ連鎖反応は、DNAサンプルの特定領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応または技術とのこと。wikiより)
しかし珍しいことではないらしい。
再々検査の結果はこの日の夜9時に出て、私への連絡は25日朝になるとのこと。
「あの、それじゃ私、今日も出かけられませんよね......?」
「そうなりますねー、申し訳ないけど」

はい、滝本さんのクリスマスライブ欠席決定---☆

でも職場で同じ電話機を使っていた同僚が陰性だったし、平熱だし、ご飯は美味しいしで元気一杯。きっと明日の午前中には陰性のお知らせが来るはず。そもそも陽性だったら、出勤した時点でアウトだし。.........だから.........だからコッソリ行ってしまってもいいんでは?.........正直、そう思った。思ってしまった。

けれど万が一。

私は推しや音友さんたち、お店に多大な迷惑をかけるどころではなく、皆さんの命を危険に晒すことになる。それだけはいけない。絶対にやらかしてはいけない。
一瞬でもコッソリとと想像した自分の浅はかさに、身震いした。
私はすぐにこの日一緒に入場する予定だった友人たちに連絡を取ったり、代わりに行ってくださる方に心当たりがあったから連絡をしたりなどした。派遣会社にも現状報告。
そして淡々とすべてをこなした後は、真っ白に燃え尽きて不貞寝した。

悔しいなー。京都のあと、石川さんのライブに行って以来1か月以上、リアルライブに行ってなかったのに。すごくすごく楽しみにしていたのに。
ちょっとだけ泣いた。
Dさんのバカー!とも思ったが......けれどこれは彼のせいではない。

“もらい事故”のようなものだなと思った。自分に非は無いと思ったから。
けどこれはもっと切ない話で、相手のせいでもないから怒りのやりどころがない。
自分がどんなに気を遣って運転をしていても、反対車線で運転者が心臓発作等を起こして運転不能になった車が突っ込んでくることもある。
ただ、不運だっただけ。
そんなのはコロナ禍でなくても、昔からあることだ。

きっとこういうことはまたある。
その時が来ても怒ってはいけない。誰も恨んではいけない。妬んではいけない。少しは愚痴ってもいいとしても、あとはどっしり構えていよう。

あとは夫やねこたちからの励まし(?)もあり復活、私は配信を楽しんだ。
その後にTwitterのタイムラインに流れる、観客の皆さんの感想も、心から楽しく拝読できた。配信でもあんなに素晴らしい時間だったから、さぞ会場も良かっただろうなー!いいなー!次こそはー!
そしてライブ友だちからLINEをいただき、その内容のありがたさに本気で泣いた。幸せだと思った。

25日朝、クリニックから連絡が来た。
“ケンシュツセズ”、つまりは陰性。ホッとした。

とはいえ、この陰性結果は、22日の唾液を出したその瞬間までのことでしかない。その後公共の乗り物で帰宅しているから、隣に座った人から罹っているかもしれない。
PCR検査自体は素晴らしい技術ではあるけれど、結局そういうものだ。
私がこれから先出来ることは、ただただひたすら手洗い・うがいを励行していくことのみ。疲れたら休む。ちゃんと寝る。行けるライブには行くのは、それからだ。それを改めて決心した出来事だった。

「え?ミキさんが配信コメント欄にいるのって何で?」って思っていた方へのご報告をかねて(果たしているんか)。※追記:思っていた以上にいらした様子。うれしいです。ありがとうございます。


ちなみにDさんはすでに平熱になり、自宅療養中とのこと。昨日それを知って、安堵している。



追記:
省いていたけれど、誤解を招いたので。
PCR検査代は、後に会社(派遣先企業)より返ってくる予定。
その上自宅待機中の給与は、定時で支払われる。ありがたし。