熊猫日誌

熊猫の記憶の物置

ニシンそば語り。

今夜はひとりでの夕食。
さてどうするか?と考えて、すぐに身欠きニシンの甘露煮があることを思い出した。

昨年11月に京都へ行った。その際に友人と立ち寄った蕎麦屋でニシンそばを食べて、そこで売っていた身欠きニシンの甘露煮3枚組を買ってきていた。
我が家はふたり暮らしなので、3枚だと1枚余る。だから私が1枚食べても良いのだ。

仕事帰りに、スーパーで茹でそばを買った。あとは昆布つゆにネギと冷凍ほうれん草を入れて煮た。ニシンはパウチのまま、湯煎1分間。

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うまーーー。身欠きニシン、うまーーー。

初めてニシンそばを食べたのは、わりと最近。数年前に生協のカタログを見ていて、ニシンの甘露煮が出ていたのを見つけた。
そういえば、この世にはこれを載せたおそばがあるらしい。
漫画『課長島耕作』(弘兼憲史著)に出てきた。

舞台は京都。最初は島と対立?していたのだけど、派閥争いに負けて一線から退いていた男・宇佐美専務。やがて彼は癌を患い、余命僅かというところで島に頼み事をする。昔懇意にしていた芸者との間に子どもがいる。かれこれ15年会っていないが優秀な子で、今は京都大学に通っている。死ぬ前に一目でいいからその子に会いたい、と。
その子がバイトしているのが、ニシンそばが有名な蕎麦屋。宇佐美は息子を見るだけのつもりが、その店に入って、ニシンそばを涙堪えながら食べる。
そして何も言わずに店を出るのだけど、息子は何か感じるところがあったのか、宇佐美に声をかける。しかし宇佐美は名乗らずに立ち去るのだった。

それにしても後に社長になる中沢さんにも隠し子がいたけど、財界のトップともなると隠し子を作ってるもんなんかね? そのくらいの財力があるってこと? ならいいか。(いや、だめでしょ)

......などなど思い出してポチッと購入。
かけそばにのせて食べた。上記の島耕作語りを夫に聞いてもらいながら。

それも結構美味しかったけど、いつか京都で食べてみたいと思っていた。
それがやっと叶ったのが、昨年。
少しも生臭さが無く、でもニシンのお味はしっかりと。そして身は柔らかい。元々身欠きニシンは好きなのだけど、これは格別。お蕎麦も美味しかった。
次に上洛した際にもぜひに食べに行って、またこの甘露煮を買ってこようと思う。

ただ、どうしても島耕作を思い出してしまう。
島よりも宇佐美専務を。
宇佐美専務よりも島界隈の隠し子問題を。

飛躍しすぎ。