熊猫日誌

熊猫の記憶の物置

ハシゴと春と私の10周年。

“ハシゴ”は動詞になると、「店を移る」「何軒も渡り歩く」という意味になる。何件も河岸を変えて飲み歩くことを“ハシゴ酒”と言うのは、わりと知られていることかと。

ライブでもこれができる時がある。
そのチャンスが昨日訪れた。

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まずはこちら。
松戸にある千鈴舎。看板にある通り、美味しい飲み物と軽食、そしてアート作品の展示を楽しめる、隠れ家みたいなお店。
ここで企画展の最中の土曜日の昼下がりに、ライブが行われることがある。
現在は『春の足音』という企画展の会期中。
昨日はここでnananeroliさんとオツベルさんのツーマンがあった。13時スタート。

元々小さなお店なのと、密にできないため、6席限定。
たまたまだけど、昨日は全員がTwitterの相互フォロワさんだったのは驚いた。先日のオツベルさんのリリースパーティーで、素敵な鍵盤を奏でてらしたクラモトキョウコさんもお客さんとしていらしていて、終わった後に少しおしゃべりさせていただいた。

nananeroliさんの短い曲の数々と語り口に、たくさんの美味しいお菓子をついばんでいるような気分でリラックスできた。
オツベルさんは新曲も含めての、素敵な演奏とお話。
千鈴舎さんの愛犬・くるみちゃんも相変わらず愛らしく、展示もほんわかと体温を感じさせるものばかりで堪能した。
「あ、そうか、“春”なんだ」と思った。

ライブ後に皆さんと少しお話して、14時50分頃に店をあとにした。
吉祥寺に向かう。MANDA-LA2。16時半の開場に間に合うか?

先に千鈴舎を予約をしていた。
南壽あさ子さんと滝本晃司さんのツーマンは、それよりも後の告知だった。
私はリアルでの滝本さんライブは、昨年11月の京都以来。クリスマスライブはPCR検査のせいで断念している。だから行かないという選択肢は無い。
けど千鈴舎をキャンセルするのも有り得ない。
ということは遅刻してでも行けばいい。
ハシゴだ、ハシゴ。ライブのハシゴ。コロナ禍の前は、チャンスがあればやってたし。ライブのハシゴは私の十八番と言っても過言ではない(言い過ぎ)。

というわけで、予約をした。整理番号2番が取れてしまったので、できたら開場に間に合いたい......

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間に合った。
何だかんだと16時20分頃?に到着。

南壽あさ子さんはお初だったんだけど、儚げなようでいてしっかりとしたお声の方で、うっとりと聴けた。
そして久しぶりの滝本さん..................ああ、感慨無量。
滝本さんの『ハル』を聴いた時、やさしい風が頬を撫でてくれたように感じた。
「ああ、これは紛れもなく“春”だ」と、思った。

このお二人の組み合わせはMANDA-LA2さんの独自企画なのだそう。どうなるかと思ったけど、きちんと形になっていて、その上その形になったものがキラキラしていたのは、さすがだと思った。お二人それぞれに力が無いと、あんな世界にはならないと思う。素晴らしかった。

ライブ通いが趣味になるキッカケになったライブが、2011年3月26日の下北沢lete。まさか10年後にこんな世の中になっているなんて思いもしなかった。leteさんは現在は無観客が主流になっていて、訪れることができない。元通りに戻れるのは、まだもう少し先かな。
でも続けてこられてよかった。
年数は関係ないんだけどね。そのひとが「ファンです」って自己申告するだけの、優劣なんて無いとてもシンプルな世界。
けど続けてこられたことが私には珍しい。キリの良い数字“10年”は、一つの区切り。
「もうライブ行くのやめよう」と思うこともあった。でも好きなものは好きだから、やめられなかった。飽きることもなかった。貫いた。そんな10年間。

とっても個人的なことなんですが実は10年経ちました......とサインをいただいている間にお話しさせていただいた。そしたら、

「10年てあっという間だよね」

本当に。
“あっという間”と今、共に思える幸せ。
どんな時にも、必ず皆さんの歌がありました。
まだまだ通いたい。この時間と空気を過ごしたい。
ここはもっと貪欲でいよう。
どうか元気でいらしてくださいね。
そして私たちも元気でいようね。

(その時におめでとうと言ってくれた皆さん、ありがと~)