熊猫日誌

熊猫の記憶の物置

【ネタバレ無】映画『川っぺりムコリッタ』鑑賞。

11月5日(金)、第34回東京国際映画祭にて上映された『川っぺりムコリッタ』を観てきた。

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荻上直子監督は、『かもめ食堂』や『めがね』等々を撮った監督。全部は観ていないけど、『彼らが本気で編むときは、』はここ10年くらいの間に私が観た作品の中では、常にお気に入りBEST3に入る。(そんなに本数観てないけど)

その監督の最新作!……てだけで観に行く理由は十分なんだけど、

主演が松山ケンイチさん!
そのうえ音楽がパスカルズ!!
さらに知久寿焼さんがご出演!!!

もうお腹一杯です、許してください。鼻血出そう。

そんなわけで公開を指折り数えて待っていたわけだけど、ここでまたコロナコノヤロウですわ。11月3日公開予定が来年に延期。残念すぎる......。

ここに、東京国際映画祭での上映決定のニュース。
しかも上映後に監督の登壇があるという。
「ひゃっほう!行くぞー!」と思ったら、入場券予約開始がパスカルズを観に行く旅の途中である10月23日午前10時。この映画祭、ちょっと話題になる作品はすぐに満席になる......とダメ元で予約開始10分前に三重県津駅で降りて、駅前ベンチで予約に集中。「アクセスしなおしてくだい」に心折れそうになるも、ここは普段のチケット取りで培った根性(笑)で何とかゲット。その時点でもう10席くらいしか残っていなかった。(最後まで完売表示にはならなかったけど、車椅子席一つが残っていただけ)

そして昨日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)で鑑賞。

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ネタバレ無しの箇条書き。思いついたらまた追加するかも。

  • 「わぁ、パスカルズだ~」と最初の音でワクワクっとするものの、物語に溶け込んで、邪魔せず主張せず。ふっと耳に入ってきた時、ホッとする。いつものパスカルズなのに、ちゃんとこの作品の世界の音だった。知っている音のはずなのに“初めまして”も感じて、とても新鮮だったように思う。

  • 知久さんが最初に登場した時、思わず肩が震えた(笑いで)(嬉しくってつい笑ってしまう)。あまりに自然すぎて。別の世界......本当にそこの富山の川っぺりに住んでいる、別の知久さんがいるんじゃなかろうか。存在感があるようで無さそうで(どっちだ)……もちろん主要人物ではないんだけど、最後まで観て、やっと作中での存在理由がわかったような気がする。

  • 主人公・山田役の松山ケンイチさんは、好きな俳優のひとり。ちょっと視線を落として......自分の足元に“在る”“何か嫌なもの”をジッと見つめるような表情が、すごくいい。すべて……自分をも拒否しながらも、実は救いを求めてもがいている姿。それを演じるのが巧い役者。
    予告編にもあるから書いちゃうけど、「ぼく、金持ってませえん!」てすき焼きを食べ始めるシーン。あれ、彼の中のステージが変わった瞬間だと思う。

  • 予告編ではすごく呑気な雰囲気だけど、結構ずしんとくるところが多い。“死”を扱っている以上は仕方ない。いずれ自分もあそこに行くんだろうな……とふと思った。ならいっか、と、ちょっと安心。

  • ちょっとグロイ描写もあるので、そういうのが苦手な方は要注意。(捌いた魚介の内臓を溜めたバケツの中とか) それを乗り越えても観て欲しい。

  • ムロツヨシさん、ウザくていい(笑)。すごくあの役にはまってる。いい意味で“汗臭い人”だなって思った。(いい意味?)

  • すき焼きとイカの塩辛が食べたくなった。そして白いご飯。さすが飯島奈美さん(フードコーディネーター)。

  • エロスを感じるシーンがあって、それがとても熱くて美しくて切なかった。


上映終了後は、たくさんの拍手。
映画祭ってここがいいんだよね。賛辞を拍手という形で、直接製作者に贈ることができる。生ライブと同じ。

ここから荻上直子監督、ご登場。

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(客も撮影OKの撮影コーナー)

なんと監督、たまがお好きだそう!
音楽にパスカルズを起用したり、知久さんに出演を依頼するくらいだから、ひょっとして……とは思ってたけど、『夕暮れ時のさびしさに』を聴いていて(歌っていて?)浮かんできたのが、この作品とのこと。
キャーーー!!!(心の中で叫んだ)
推しの口から推しのことが語られるの、本当に最高。

また監督、ほんのり口が悪くて、そこがとてもチャーミング。この作品、最初は撮りたくても話が通らなくて、その時のプロデューサーについて「うんこなプロデューサー」とか仰るんだもの。おもしろい! ホントうんこだ、そのプロデューサー(笑)。

観客からの質問に丁寧に答えていく監督。
結構な時間をとっていてくださってて、とても楽しい時間だった。

あー、もう語りたい。もっともっと語りたい。
映画祭は英語字幕付きだったから、一般公開で字幕の無い画面で観たい。
パンフレットも欲しい。絶対!

公開を心待ちにする日々が始まった。
まだかなまだかなー。


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